2025年11月10日
麻布台ヒルズ西堀歯科の柏木です。今回は私を含め当院の3名の歯科医師が留学したペンシルベニア大学について少しお話できたらと思います。
「できるだけ自分の歯を残したい、ご飯を美味しく食べたい」おそらくこれは多くの患者さんが抱く願いであり、私自身が歯科医師として大切にしている信念でもあります。私はこの考えをさらに深めるため、アメリカのペンシルベニア大学歯周病科で、歯周病治療やインプラント治療を専門的に学びました。
歯周病は、歯を支える骨や歯ぐきが徐々に失われていく病気です。重度になると歯を抜かざるを得ないこともあります。しかし、近年は治療の進歩により、失われた骨や歯ぐきを回復させ、歯を長く残すことが可能になってきました。私が留学したペンシルベニア大学は、この分野で世界をリードする歯科大学の一つです。
ペンシルベニア大学歯周病科の教育プログラムは、アメリカ国内でも少しユニークな構成を取っています。歯周病科は大きく分けて3つの専門課程に分属され、それぞれに求められる研修内容もやや異なります。1つ目は歯周病科(Periodontics)で、毎年3〜4名のレジデントが入局します。2つ目は歯周補綴科(Periodontal-Prosthesis)で、2〜3名程度が所属。3つ目は歯周矯正科(Periodontal-Orthodontics)で、こちらは1名枠という非常に狭き門です。私が在籍していたのは歯周補綴科で歯周病やインプラント治療の他に補綴(被せ物)まで担当しておりました。
4年間の留学中、私は多くの臨床ケースに携わり、歯周再生療法、歯ぐきの移植(CTG・FGG)や骨造成(GBR)などを文献ベースのディスカッションや試験を受けながら、実際の治療に臨んでいました。特に印象的だったのは、「なぜその治療を選ぶのか」を常に問われる姿勢です。技術だけでなく、患者さんの背景や将来を見据えた判断が求められるのが、アメリカの歯周治療の特徴です。帰国後は、その経験を日本の臨床に活かしています。患者さんに長くお口の健康を保っていただくために、患者さん一人一人にどの治療が最適かを考え日々臨床に臨んでおります。
当院では、歯周病治療からインプラント、骨再生、審美的な歯ぐきの回復までを一貫して行い、長期的に安定する口腔環境の維持を目指しています。他の歯医者で歯周病の再発を繰り返している方、抜歯と言われた方、歯ぐきが下がって歯が長く見える方、インプラントをしたいけれど骨が足りないと言われた方はぜひご相談ください。

4年間のプログラムを終え、Certificateの授賞式での写真
